校長挨拶

校長挨拶

「自ら問いを創ろう」

愛知県立豊田南高等学校長 野田 一弘

 愛知県立豊田南高等学校ホームページをご覧いただき、ありがとうございます。

 本校は昭和55(1980)年4月に「豊田市南部に普通科高校を」という地域の皆様の熱い期待を受けて、若林の地に創立されました。開校以来40有余年の歴史が刻まれ、校訓「全力」のもと、「たくましく生きる青年 たゆみなく学ぶ青年 心を大切にする青年」を目指して努力を継続しています。その間、地域の皆様に支えられながら、社会で活躍する人材を多く輩出してきました。

  新型コロナウィルス感染症は、社会の在り方を大きく変えました。教育現場においても休校、学習活動の制限、生活習慣の変容などすべての面で見直しを迫られました。多くの制約がある反面、ICT機器等の活用を通して「新しい学習様式」「新しいシステムの構築」を創造する機会を得ました。南高校でも、「ICT教育推進実践モデル校」や「あいちラーニング推進事業主管校」の指定を受け、ICT機器等を活用したさまざまな研究実践をしてきました。
このように取り巻く環境の変化に対応できる柔軟性が今、必要とされています。生徒も教職員も協働による課題発見・解決能力が求められています。この状況を克服するための合言葉が「自ら問いを創ろう」です。

  我々教師は、生徒のことを考えて「今のうちに学問をしておけ」と機会を与えることはできます。ただし、学問するか否かは生徒次第です。その生徒の主体性を生み出すのは、共に学ぶ仲間の存在です。同級生とは限りません。上級生や下級生かもしれません。その仲間と語り合い、その姿を見て、自分もやってみようと思うようになります。自身で考え、他に依存せず自らの意見や考え方を持つことが重要です。そうした個が集まって「問い」を共有して「対話」し、何をどうすべきかを決めていくことで「深い学び」に繋がっていきます。良い問いを創ることができれば、それを考えるための創造的な対話ができます。対話ができれば、また新しい問いが創られます。

 南高校は、常に「自ら問いを創る」意識の高い集団でありたいと考えています。対話に導かれた主体性あってこそ、「全力」を尽くせます。協働体験は気づきを生みます。答えのない問いに向き合い、多様な考え方が交錯する社会を生き抜く力にもなります。困難と思えることも仲間と一緒なら乗り越えられます。そんな先輩を見て後輩が育ちます。

  さて、まだ見ぬ君も豊田南高校に集い、多くの仲間とともに学習、部活動、そして学校行事で本校の「全力」を体感してください。成功や失敗を含めたさまざまな経験が君の自信と誇りを深め、これからの人生を生き抜く力になると確信しています。